2回目からの体外受精で大切なことは、 1回目の体外受精でも大切なこと 子どもを授かるための体外受精 その意味をよく考えた治療を!...①

みなとみらい夢クリニック院長 貝嶋弘恒先生のお話

2018年8月発行『i-wish ママになりたい 2回目からの体外受精』

峯レディースクリニック
峯克也院長


なとみらい夢クリニックでは、体外受精の排卵誘発方法は自然周期が基本です。

 それは、今の周期だけでなく、今後の周期、そして長期的な視野に立って考えているからです。

 年齢が上がってくると、焦りもあることでしょう。逆に20代、30代前半ぐらいの人は、今はあまり気にしなくても、2人目、3人目を望んで体外受精をするときには、年齢が高くなり、やはり焦りや苛立ちを覚えるかもしれません。

 今号のテーマは、「2回目からの体外受精」ですが、2回目以降だから特に! ということではなく、初回の体外受精から卵巣機能を大切に、卵子を大切に考えて体外受精を受けることが重要だと貝嶋先生は話します。

 これまでの治療を振り返りながら、

みなさんの今後の体外受精治療のアドバイスになる貴重なお話です。


大切なのは、今の周期だけではありません

体外受精を受ける人の中には、卵子はたくさん採れた方がいい、採れる卵子の数が少ない自然周期や低刺激周期では不利だから調節卵巣刺激がいいと考える人もいることでしょう。

 1回の採卵周期で必ず妊娠、つまり妊娠率100%が理想的ですが、実際に体外受精をはじめてみると初回の体外受精 - 胚移植では妊娠せず、2回、3回と繰り返し行う人が多くいます。凍結胚がなければ、次の治療周期は排卵誘発からやり直すことになり、同じように調節卵巣刺激を行っても、前回よりも採卵できた卵子の数が少なかったとショックを受けたという人もいるでしょう。

 また、30代前後の卵巣機能が良好なうちに「1回だけ」体外受精をするのであれば、どのような方法で排卵誘発をしても卵胞は育ち、大抵の人は、卵子を得て、多くの人が妊娠、出産することができると思います。

 しかし、1人を産み、育児が落ち着いて2人目、3人目を望んだ時には30代も後半ということもあります。先の体外受精でいくつもの凍結胚があって、それでまた妊娠、出産ができればいいのですが、そういった人ばかりではありません。

 では、なぜ調節卵巣刺激法の回数を重ねると卵子が得られなくなるのでしょう。

 それは、2回、3回と繰り返すことで、また1人目を産んだ時よりも、卵巣機能や残されている卵胞数、そして卵子の質など、加齢によって条件が悪くなっていることが多いからです。

 また、調節卵巣刺激法を続けることで卵巣の反応性が悪くなり、さらに卵巣機能を低下させ、卵子を得るのがとても難しくなってしまうこともあります。

 あなたの卵巣機能は、大丈夫でしょうか。

 不妊治療は、赤ちゃんを授かるための治療で、採卵することが目的ではありません。1回の体外受精で授からなかったから2回目、3回目をという夫婦もいれば、2人目を望んで3回目、4回目の体外受精を受ける夫婦もいます。その時にも、いい卵子に巡り会えるように、卵巣機能を少しでもいい状態で保って、次の周期へつなげるようにと考えて体外受精を受けて欲しいと思います。

 大切なのは、今の周期だけではありません。その先、そして、その先も赤ちゃんを望んで体外受精に挑戦する場合、今後も同じように大切な周期なのです。


今後も排卵誘発は自然周期法で

日本国内では、調節卵巣刺激法を行う病院、クリニックが大半です。

 そうした場合、例えば「前周期はロング法で排卵誘発をして上手くいかなかったから、今回は違う方法にしてみましょう」ということもあるでしょう。しかし、私たちのクリニックでは、自然周期法を繰り返して行います。

 なぜなら、多くの女性は定期的に月経周期が起こり、薬を使わず卵胞を育て、普通にその卵子で妊娠するからです。ただ、一人ひとり月経周期の様子は違います。周期の長さも違いますし、同じくらいの周期の人でもホルモン分泌量が順調に伸びていく人もいれば、排卵の3、4日前に一気に伸びてくる人もいます。

 ですから、自然周期というアプローチ法は同じでも、質のいい卵子を得るためには、卵巣で、どのように卵胞が成長し、成熟していくかを理解し、その人にあった適切なタイミングで検査や診察を行うことが重要です。

 しかし、中には薬を必要とする人もいます。例えば年齢に関係なく月経周期が長い人や多嚢胞性卵巣(PCO)の人の場合です。卵胞が育ちにくく、成熟卵にならないこともあるのでクロミフェンやレトロゾールを使った低刺激周期で排卵誘発を行います。

 自然周期では、排卵のホルモン(黄体化ホルモン)を抑制しないので排卵が起こってしまいやすい人もいますが、医師の指示通りに検査や診察を行うことで9割以上の人が確実に卵子を得ることができています。


なぜ自然周期なのか?

大切なことは、卵子をたくさん採ることではありません。赤ちゃんを授かるために何をするかなのです。

 先ほども言ったように、順調な月経周期が起こっていれば薬を使わずとも卵胞は育ち、卵子を得ることができるため自然周期で十分なのです。

 そして、もう1つの理由として卵巣機能低下の問題があります。30代後半から卵巣の機能は個人差が目立つようになり、40歳以上になると、その差はもっと大きくなるでしょう。

 不妊治療に取り組んでいる一番多い年齢層になりますが、比較的、卵巣機能が保たれている人であっても、この年齢層の人たちに強い卵巣刺激をすることは、卵巣機能の低下を招くことがあります。また、卵巣機能が低下している人の場合には、採卵どころか卵胞を育たなくしてしまう恐れもあります。

 そのうえ、年齢が高くなることで周期によるバラツキも目立つようになってきます。周期によって卵子の質の違いが大きくなり、質のいい卵子が得られる周期が少なくなります。質のいい卵子に、いつの周期に出会えるかはわかりません。そのため年齢が高い人は特に、4~5周期を1セットとして体外受精を考える必要があるでしょう。


2回目からの体外受精で大切なことは、 1回目の体外受精でも大切なこと 子どもを授かるための体外受精 その意味をよく考えた治療を!...②

2回目からの体外受精で大切なことは、 1回目の体外受精でも大切なこと 子どもを授かるための体外受精 その意味をよく考えた治療を!...③


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