ご夫婦の願いは同じです。個々に適応した治療を施すのに環境を整え、最善を尽くします...①

操レディスホスピタル理事長 操良先生のお話

2018年11月発行『i-wish ママになりたい 20代・30代・40代の不妊治療』

松本レディースクリニック
松本玲央奈副院長

岐阜は、長良川に掛かる金華橋のたもとにあるのが地元でも由緒ある産科婦人科の操レディスホスピタルです。操レディスホスピタルが体外受精の治療をはじめたのは、2001年。今では、年間500件近くの体外受精治療周期(移植)を行っています。そして最近、患者さんのために大きな進展がありました。不妊治療専門となるリカバリー室の一新と、培養室の機器の増設です。早速拝見いたしましょう。


患者さんは、年齢に関係なく同じ気持ちです

■20代、30代、40代、それぞれの患者さんに先生が気を遣っていることは何でしょう。

20代、30代、40代と、どの年代であっても治療に来られる患者さんの気持ちは同じです。 それは、子どもができることです。

 ただ治療を受けることは、気持ちの面でも生活の面でも大変な労力や辛い思いがあることも確かです。そのため、私たちは患者さんが少しでも気持ち良く通院していただけるよう考えなければならないと思っています。  

 産科のある環境で治療を受けることは、患者さんにとって時にナーバスになることもあるため、環境を見直し、心から休んでいただけるよう不妊の方のリカバリー室を一新しました。

 明るい日差しの入るあたたかみのある部屋で、落ち着いた中、ゆっくりと過ごすことができるようにと設計しました。


環境を良くしてさらに培養室も充実させました

リカバリー室で休まれるときには、採卵後であれば、よい卵が採れたかな? と期待し、移植後ではしっかりくっついてくれますように、と期待が深まるときです。その気持ちや思いを大切に、成績につなげていくのが私たちの役目となります。

 培養室においても、それは同様です。ですから少しでも胚にストレスが無く、受精卵の分割状態や成長が観察できる最新のタイムラプス型のインキュベーターも導入しました。

 培養室長はキャリアも20年以上あり、効果的に最新設備を使いこなすことで、今まで年間400件のART症例が今年度は500件まで伸びそうです。

 より多くのご夫婦の幸せに後見できるよう、これからもずっと努力していきますよ。


豊富な選択肢を用意しています

■実際の治療に、どのように結びついていますか?

初診時に患者さんのお話をよく聞いて、検査からそれぞれの患者さんに適応となる治療を進めます。これは、みなさん同じです。20代、30代、40代と年代に変わりないことです。

 不妊の原因は女性側だけではありませんから、男性不妊の外来も設置し、精索静脈瘤手術やMDーTESEまで対応しています。 

 不妊治療では、夫婦それぞれの生殖機能がどのような状況にあるかを検査からしっかり診ていきます。

 この時、20代、30代、40代では、やはり加齢による低下も出て来ますから、診療に微妙なさじ加減が必要になって来ます。具体的にいうのは難しいのですが、一人ひとりの状態に対応するために、できるだけ多くの選択肢を用意しています。内膜症など、重篤であれば、大学病院などとの連携で手術などが先行することもあります。体質の違いや、太り過ぎや痩せた方などにも注意しながら、患者自身に改善の指導をすることもあります。体外受精が必要となれば、排卵誘発方法も、自然周期法、低刺激法、そして調節卵巣刺激法と10種類のベースを準備して、個々に合わせてアレンジしながら治療周期を進めます。

 妊娠するためには、卵子の質が関係してくるため、いかに良い卵が育つかが肝心です。

 ここに、20代、30代、40代では差がでて来ます。


ご夫婦の願いは同じです。個々に適応した治療を施すのに環境を整え、最善を尽くします...②


操レディスホスピタル 操良先生のお話

2018年11月発行『i-wish ママになりたい 20代・30代・40代の不妊治療